この記事の要点
- お口の中の銀歯や金属の詰め物が、金属アレルギーの原因になることがあります。
- 症状は口の中だけとは限らず、手のひら・足の裏・顔などの湿疹として出ることがあります。
- 原因の金属を特定するには、皮膚科でのパッチテスト(貼付試験)が必要です。歯科の診察だけでは判定できません。
- 当院は金属を使わないメタルフリー治療に対応しています。セラミックインレーが55,000円、セラミッククラウンが臼歯部77,000円・前歯部110,000円(いずれも税込)です。
- 金属を外しても症状が改善するとは限りません。皮膚科の診断と合わせて、順序を決めて進める必要があります。
歯科用の金属がアレルギーの原因になることがあります
お口の中に入っている金属が、体の他の場所に出る皮膚症状の原因になっていることがあります。歯科金属アレルギーと呼ばれるものです。
金属そのものがアレルギーを起こすわけではありません。お口の中は常に唾液に触れていて、噛む力もかかるため、金属がごくわずかに溶け出します。溶け出した金属イオンが体内のタンパク質と結びつくと、体が異物として認識し、アレルギー反応を起こすことがあります。
特徴は、原因がお口の中にあっても、症状が出る場所は口とは限らないことです。手のひらや足の裏に湿疹が出ていて皮膚科に通っているのに原因がわからない、という経過をたどる方がいます。
また、金属を入れた直後に症状が出るとは限りません。何年も問題なく使っていた銀歯が、あとになって原因になることもあります。アレルギーは体が金属を覚えてしまったときに初めて起こるためです。
どんな症状が出るのか
症状は口の中に出る場合と、口から離れた皮膚に出る場合があります。
お口の中に出る症状
金属に接している歯ぐきや頬の粘膜が赤くなる、白く変化する、口内炎を繰り返す、舌がひりひりする、金属の味がする、といった症状が挙げられます。金属が当たっている場所の近くに限って症状が出ているときは、歯科金属が関係している可能性があります。
お口から離れた場所に出る症状
手のひらや足の裏に小さな水ぶくれや赤みが出る、頭や顔に湿疹が出る、原因のはっきりしない皮膚炎が続く、といった形で現れることがあります。皮膚科で治療を受けても改善しにくい場合に、お口の中の金属が疑われることがあります。
ただし、これらの症状は金属アレルギー以外の原因でも起こります。症状だけで「銀歯のせいだ」と決めることはできません。
原因になりやすい歯科用の金属
保険診療で使われる金属には、複数の金属を混ぜた合金が用いられます。
いわゆる銀歯(金銀パラジウム合金)には、パラジウム、銀、銅、亜鉛などが含まれます。このうちパラジウムやニッケル、コバルト、クロムはアレルギーの報告が比較的多い金属です。金やチタンは反応が起こりにくいとされていますが、起こらないわけではありません。
どの金属に反応しているかは人によって違います。そのため、お口の中の金属をすべて外せばよいという判断にはなりません。何に反応しているのかを先に確かめることが必要です。
調べ方は皮膚科のパッチテストです
金属アレルギーの診断は皮膚科で行います。歯科では、症状を見ただけでアレルギーかどうかを判定することはできません。
皮膚科では、パッチテスト(貼付試験)という検査を行います。金属の試薬を背中や腕の皮膚に貼り、数日かけて反応が出るかどうかを確認するものです。これによって、どの金属に反応しているのかがわかります。
そのうえで、お口の中にその金属が使われているかを歯科で確認します。皮膚科での検査結果をお持ちいただければ、詰め物・かぶせ物の材質と照らし合わせ、置き換えが必要かどうかをご説明できます。順序としては、皮膚科の受診を先にしていただくとご負担が少なくなります。
お口の中の金属が気になる方、皮膚の症状が長引いている方は一度ご相談ください。ご予約はお電話 086-287-9350、または 24時間受付のWEB予約から承っています。
当院のメタルフリー治療の種類と費用
金属を使わずに歯を修復する治療をメタルフリー治療と呼びます。当院で対応している主な選択肢と費用は次のとおりです。いずれも自費診療で、表示はすべて税込です。
セラミックインレー/ジルコニアインレー(詰め物)
むし歯を削った部分に詰めるタイプです。奥歯の小さめの範囲に使います。セラミックインレーが55,000円、より硬いジルコニアインレーが55,000円です。
セラミッククラウン/ジルコニアクラウン(かぶせ物)
歯を全体的に覆うタイプです。セラミッククラウンは臼歯部が77,000円、前歯部が110,000円、ジルコニアクラウンが77,000円、両者を組み合わせたジルコニアセラミッククラウンが110,000円です。
ダイレクトボンディング
白い樹脂をその場で盛り足して形を作る方法です。削る量を抑えられる場合があり、範囲によって22,000円から110,000円です。
なお、保険診療でも白い材料を使える場合があります。どの歯にどこまで適用できるかは制度で決められているため、診察のうえでご説明します。保険で対応できる範囲があるときは、先にそちらをお伝えします。
治療期間と通院回数の目安
金属を置き換える治療は、1本あたり2〜3回の通院が目安になります。
初回に金属を外して歯の状態を確認し、型取りまたは口腔内スキャナーでの計測を行います。当院ではPrimescan(デンツプライシロナ社)という口腔内スキャナーを導入しており、計測した内容をその場でモニターに映してご覧いただけます。次の来院で完成したものを装着し、噛み合わせを調整します。
金属を外したあとに深いむし歯が見つかった場合は、その治療が先に必要になり、回数が増えます。本数が多い場合は、症状の出ている場所や噛み合わせを考えて順番を決め、数か月かけて進めることもあります。全体の回数と期間は、精密検査のあとにお伝えします。
リスク・副作用として知っておいていただきたいこと
金属を外してメタルフリーの材料に置き換えても、皮膚の症状が改善するとは限りません。金属アレルギー以外の原因が関係していることもあるためです。皮膚科での経過観察と合わせて判断していく必要があります。
治療そのものにも次のような点があります。かぶせ物や詰め物を作り直すときは、歯を削る必要があります。削る量が増えれば歯の神経に近づくため、治療後にしみる症状が出たり、神経の処置が必要になったりすることがあります。
セラミックやジルコニアは硬い材料ですが、強い力がかかると欠けたり割れたりすることがあります。歯ぎしりや食いしばりの強い方は、就寝時のマウスピースの使用をご提案する場合があります。
また、自費診療になるため費用のご負担が大きくなります。本数が多いほど総額が上がるため、どこから手をつけるかを相談しながら決めていきます。
よくある質問
銀歯を外せば、手や足の湿疹は治りますか?
改善する場合もありますが、外せば必ず良くなるとは限りません。皮膚の症状には他の原因もあるため、皮膚科で経過を見ていただきながら進めることが大切です。
金属アレルギーかどうかは、歯科で調べられますか?
アレルギーの検査は皮膚科で行います。歯科では、お口の中のどこにどの金属が使われているかを確認し、皮膚科の検査結果と照らし合わせるという役割になります。
当院のメタルフリー治療はいくらかかりますか?
セラミックインレーとジルコニアインレーが55,000円、セラミッククラウンは臼歯部77,000円・前歯部110,000円、ジルコニアクラウンが77,000円です(いずれも税込)。
金属を外す治療は何回くらい通いますか?
1本あたり2〜3回の通院が目安です。金属を外したあとにむし歯が見つかった場合は、その治療が加わるため回数が増えます。
お口の中の金属をすべて外したほうがよいのでしょうか?
すべて外す必要があるとは限りません。反応している金属が特定できれば、その金属が使われている部分に絞って置き換えるという考え方ができます。
岡山市北区で金属を使わない治療のご相談を承っています
はれのひデンタルクリニックでは、お口の中の金属の確認と、金属を使わない材料への置き換えに対応しています。皮膚科での検査結果をお持ちの方はご持参ください。まだ検査を受けていない方には、どの順番で進めるとよいかからご説明します。
JR吉備線(桃太郎線)備中高松駅から徒歩10分、医院敷地内に専用駐車場を10台ご用意しています。ご予約はお電話 086-287-9350、または WEB予約から24時間受け付けています。
監修者
中山 雅雄(なかやま まさお)/はれのひデンタルクリニック 院長
平成23年 鶴見大学歯学部卒業。鶴見大学歯学部附属病院での研修医、神奈川県および倉敷市児島の歯科医院勤務を経て、令和5年7月にはれのひデンタルクリニックを開業。日本臨床歯周病学会、日本口腔インプラント学会所属。
